五月 御田植祭

古式豊かな御田植で、農作物の豊穣を祈る

May

農作物の豊穣を願う祭りで、毎年例大祭前日に行われています。午後一時、一連の神事で幕を開け、午後三時から古式豊かな御田植が始まります。
境内に仮の斎田を設け、地元の三歳から五歳までの少女21人が手甲(てこう)、脚絆(きゃはん)、襷(たすき)、前掛姿で、髪には金銀の折り紙の蝶をつけた早乙女となり、七人の男児が囃子方(笛・太鼓・小鼓)と所役(鍬役・杁役)、歌役として奉仕します。
鍬役が中央の盛り土に鍬を入れ、田起こしの仕草を行い、続いて杁役が杁を持って田をならします。その後、歌方が囃子に合わせて田植え歌を歌い、田植え歌が後半になったところで拍子木が打たれ、それを合図に早乙女たちが一斉に苗に見立てた松の葉を植え付けるという「御田植」の一連の流れを模して執り行います。

農作物の豊穣を願う

この神事は明治十五年(1882)までは末社の御田代神社の斎田で行われていましたが、現在の形式は室町時代に完成したものです。関ヶ原の合戦で中止されてしまいましたが、寛永の社殿再建とともにほかの各種神事と合わせて復活しました。国指定重要無形民俗文化財に指定されています。

奉仕した早乙女たちは、髪につけた金の雄蝶、銀の雌蝶を大切にしまっておき、嫁入りの際に箪笥に納めて嫁ぐのが宮代の風習となっています。